『宇宙船ガリレオ号』訳者の謎
2020-05-06


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科学冒険全集1巻で出たあと、科学名作全集4巻(写真中)で再刊され、完訳は1991年の創元SF文庫版(写真右)まで待たねばならなかった。ジュブナイル版と完訳版ではどう違うのか、読み比べてみたが、ストーリイはほぼ同じ。おじさんが子どもたちに真剣に「月に裏側はあるのか」と問い詰める10章がジュブナイル版では省略されているのが目につくぐらいである。これはこれで面白いのだが、なくても構わない気もする。では、冒険全集と名作全集は何が違うかというと、後者はかなり漢字がひらかれ、細かい部分で省略がある。対象年齢が少し下がった感じだろうか。文章はほぼ同じなので、訳者も同じと思われるのだが、前者は「塩谷太郎(しおやたろう)」、後者は「土居耕(どいこう)」と違う名前がクレジットされている。ペンネームかとも思ったが、塩谷は1903年生まれ、土居は1928年生まれで全くの別人のようだ。土居が塩谷の下訳者で後の版では名前を出させてもらったのか、塩谷の訳文をほとんど使う形で土居がアブリッジを行ったので訳者としたのか。知っている人がいたら教えてください。

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[science fiction]

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