ネルスン・ボンド『宇宙人ビッグスの冒険』
2022-08-02


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宮田昇『新編・戦後翻訳風雲録』(2007年、みすず書房)の亀山龍樹の章を読むと、「亀山が児童文学主流から評価されなかったのは、名作ダイジェストをしたうさん臭い男という目で、見られたせいである」とある。児童文学界では、昭和40年代、50年代に大変激しい「リライト駆逐運動」が起こり、戦後隆盛を極めた世界名作全集などが姿を消していったという。なるほど、あれほどあったSF名作全集が消えていった背景にこうした事情があったとは知らなかった。SFダイジェストで育った自分としては、原作の趣を壊してしまうリライトならない方がよいが、原作のエッセンスを汲み取った良質なリライトはあってもよいのではないか、とつらつら思った次第である。

 つい話が脱線してしまった。次回はネルスン・ボンドの他の作品について見ていきたい。

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[science fiction]

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